こだわりの器 ― 其の三　群馬の大地を映す一皿 ―

投稿をご覧いただきありがとうございます。
特にこだわりのある3点の器について、これまで2回にわたりご紹介してまいりましたが、
今回が最後の1点となります。

最後にご紹介するのは、当店の名物料理のひとつ
「上州かとう和牛の炭焼き」に使用している、「群馬県の形」を模した特注の器です。

群馬の大地をかたどった、唯一無二の器

花山うどんの本店と伊香保石段店がある群馬県は、
その地形が「鶴が舞う姿」に似ているといわれています。

この美しい形をそのまま器かたどった器です。

高崎市の製造元と相談を重ね、群馬の山々や大地の標高差を表現するため、
部分ごとに色合いに変化をつけていただきました。

完成した器は、想像を超える仕上がり。
無骨さを感じるほど力強い土の質感と深緑色の織部釉によって、
群馬の山並みや豊かな大地の景色が映し出されています。

そこに盛り付けるのは、同じ土地で育まれた「上州かとう和牛」。
土地・器・料理が重なる、郷土への思いを込めた一皿です。
コースも終盤。
最後の瞬間までこだわりの余韻を感じていただければ幸いです。

器が語る、料理を超えた物語

料理は、味覚だけでなく視覚や触感を通して五感すべてで楽しむもの。
だからこそ、器の存在は決して脇役ではありません。
それぞれの器には、私たちが込めた想いと、その器が導いてくれる料理との出会いがあります。

これからも、ただ「美味しい」だけではない、心に残る一皿をお届けするために。
器との対話を大切にしながら、日々料理に向き合ってまいります。

心動かされる器に出会った際には、また改めてご紹介させていいただきます。